自分が人生で読んだ本の中で最も面白かった本は「マイルス・デイビス自叙伝」だ。間違いねえ。色々と小説も読んだけど、やっぱり「事実は小説より奇なり」でございます。世紀の大天才のトンデモエピソードのオンパレード。なんつったって自分の作品についての音楽的な解釈をご本人様が切々と語って下さるのでマイルスファンは絶対に読んだ方がいいかも知れない。

 

取りあえず全部とは行かないが、マイルス作品に関してはそれなりに時代時代のキーになる作品は聞いていたので、まじで面白すぎた。一度読み終わった後、ウンコをしながら本を読む癖が有るんだけど、ずーっとトイレのお供としてリピートして読んでいたので、人生で最も何度も繰り返し読んだ本といっても差し支えないと思ふ。

 

取りあえずマイルス、耽溺し過ぎだしナイーヴすぎて繊細すぎて強引すぎる。やはり人間的にイマイチ尊敬出来なさそうなどうしょーも無い部分もたっぷり有り、天才はやはり欠陥と大差無いな、と思います。

 

取りあえず最もお気に入りのエピソードは重症ヘロイン中毒時代にプレイしていたクラブのオーナーに「ネクタイを締めて来い」と言われてシャツに靴紐を巻いて登場したところ。ギャグセンスレベル高過ぎ。あとおばあちゃんを口説いてるポール・チェンバースとか。

 

とにかく周囲にいたこれまた天才ミュージシャンのエピソード(どうしようも無いのも沢山)たっぷりなので楽しめる事間違いなし。「ゆりかごから墓場まで」という言葉があるが、この人の場合は「ビバップからヒップホップまで」みたいな感じなので、20世紀の黒人音楽を俯瞰して見るという事でもとても貴重な証言の数々なのであります。

 

上下巻二冊なので飛んでも無く楽しめます。退屈なお正月には二冊手に取り、パーカーとのビバップ時代からDoobopSongのヒップホップ期までをCDをレンタルなんてしちゃいながら聞くとあなたもマイルス博士になれるかもしれませんよ。