尊敬しているミュージシャン、コルトレーンに続いて勿論マイルス・デイビスもです。勿論です。コルトレーンが好きという背景には音楽や著述から垣間見える人間性みたいなのも含めてなのだけれども、この人に関してはとにかく音楽が素晴らしい。

 

 

20世紀を代表する音楽家って言っても過言じゃないと思う。自叙伝レビューでも書いたけど、ビバップからヒップホップまで最前線できちんとやりきった人なんてこの人くらいのもの。

 

なんつったってイージーモービーと作ったDoobopSongって初めてチャートインしたヒップホップアルバムだったような気がするんだけど。

 

とにかくこの人の場合は代表する時期が有って、実質本人名義の作品としてアーティスト性が大爆発し始めるのって多分「Birth of cool」からだと思うけど、やたらと当時だと革新的。本人も「白人的にやった」つってるんだけど、ホーンのアレンジとかかっこいい(ジェリー・マリガンとか相当頑張ったみたいだけど)。未だにJazzミュージシャンがプレイするBebopの有名曲でも沢山この人が作曲したのが有る。普通にチャーリー・パーカー作曲という事になってる「Donna Lee」とかも本当はこの人作曲だったらしいし。

 

この人って時代時代で結構ムードが違うんだけど、コルトレーン、フィリー・ジョー・ジョーンズ、ビル・エヴァンス、ポール・チェンバースとやっていた時代は当然好き。ドラマーは違うけれども「Kind of blue」の時。本当にKind of blueはしつこいくらい何度も何度も聞いた作品。完璧な物って中々無いけど、この作品に関しては文句を付けれるような箇所って一箇所も無いって未だに信じてる。

 

次はやっぱりウェイン・ショーター、ハービー・ハンコック、トニー・ウィリアムス、ロン・カーターの時代。この時期なら「ネフェルティティ」と最後のアコースティック編成での作品の「ソーサーラー」なんかも大好きだなー。

 

エレクトリック期なんて本当に一番混沌としてて、この人のキャリアの中で最も独立した雰囲気を感じる。この時期のマイルス作品って他に似ている音楽が無い様な気がするんだよな。ついでに言うとこの時期のこの人のファッションセンスも超独特で、対抗できるのはP-FUNK軍団くらいだと思ってる。世間でナンバーワンなのは「ビッチェス ブリュー」なのは解るけど、個人的一番は「in a silent way」だなー。特にエレクトリック期についてはテープ編集を作品製作に使いまくったりなどと、現在ProToolsで行われている制作技法のルーツ。

 

リタイアしてから復帰した後の作品って正直あんまり好きじゃないけど、それでもマーカス・ミラーとかを上手に使ったりなんだり、やっぱり帝王っていうか他人のプロデュース能力も半端無い。なんだかんだこの時期の作品も作りは間違いないし。

 

とにかくこの人1950年代から1990年代まで最前線で突っ走るんだけど、この人の影響なしにアメリカの大衆音楽って存在できなかったくらいヤバイ功績ばかり。なんかアカデミックな領域から路上のクソガキのやり方まで飄々と行き来できたところも稀有なところだし。大好き、というか聞いて飛ばされて当たり前、みたいな人です。