音楽を作り出した最初の頃、トラックを作る方法はAKAI のS950とYAMAHAのQY20というチープなシーケンサーの二つだけで制作していた。まだ2000年前後だったから、HIPHOPのトラックを作る為にサンプラー一台とシーケンサー一台という人が結構いたと思う。当時は既にMPC2000なんかも発売されていたけど。

 

このAKAI S950というサンプラーは12bit(CDは16bit)で、ローファイな部類。しかもサンプリングタイムは確か10秒も無いくらいだったと思う。音質は12bitというとSP1200の様なざらついた感じを連想する人は多いと思うけど、どちらかというとマイルドな音質でサンプリングレートを下げて入力ゲインをかなり突っ込んでピッチをいじると多少ザラザラしたムードにはなるけど、全体的に中低域当たりがもっさりしている音質の為、ざらざらしたローファイな音質が欲しくて買うと後悔すると思う。

 

とにかくサンプリングタイムが短いので、ターンテーブルで45回転+8%でレコードを再生しピッチを下げる、なんつうB-BOYなテクニックを先輩から教わってなんとか沢山サンプリング出来る様にしていた。

 

今のヤングな方々からするとほんと馬鹿げたスペックのサンプラーだし、そもそもハードサンプラーの需要なんて有るのかという気もするんだけど、自分はやっぱりこのサンプラーが好きでもうかれこれ十年以上経過。

 

やっぱり使う頻度は減ってきたけれど、実際捨てる事は出来ないし、それは思い出という側面も十分有るのだけど、捨てる気になれんのはメモリーズ。

 

ちなみにピート・ロックはサンプリングしたベースラインをこのサンプラーでガッツリローパスフィルターかけて使用していた。ついでにタカナフミヤさんなんかも現役で未だに使っているような記事をなんかの音楽雑誌で見たような。

 

ちなみにサンプリングレート高めでサンプリングすると嫌味が無い綺麗な音がします。ぶっちゃけバッテリーなんかのソフトサンプラー使うならまだこっちの方が全然良い音だなあ、と思うのですが、やはりローファイなだけあって超高域がバッサリ切れておりますのでDAWでMIXするときにソフトシンセなんて入ってると混ぜるのにやや苦心したりするのも事実。

 

でもやっぱりサンプリングしたフレーズが調子よくて、ローパスフィルターをかけてちょっと甘ったるい感じのフレーズをループさせたりした時のロマンチックな気持ち、みたいなのが有るのです。また波形なんて全然見れないから自分のタイム感一発でサンプルを編集したあの雑な発音タイミングとかも絶妙。

 

 

そんな色々な愛着が有って捨てられない。そんなブツのご紹介でございました。